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ティルト式車いすを導入したけど楽に座れない方「姿勢が崩れるから、お尻が痛いからすすめられて、などティルト式車いすを使ってみたけど、あんまり楽にならない、、、逆に胸が悪くなるんです、、、」
こんな疑問に答えます。
結論からお伝えすると、どんな車いすでもフィッティングが大切です。
この記事を書いている僕は、訪問リハビリでティルト式車いすを利用者さんに座り方やフィッティング方法をお伝えしてきました。
その前に、「座っているとお尻が痛い痛くなる方への対策」についてご覧になっていない方はこちらをどうぞ。
その中で、せっかく導入したティルト式車いすが、ただ家にもってこられて、フィッティングされずに使われていることがあったに衝撃を受けたので、フィッティングの手順について解説します。
本記事の内容
- ティルト式車いすについて
- 車椅子への座り方の確認方法
- ティルト式車いすのフィッティング手順
上記について深掘りします。
ティルト式車いすについて
通常の車いすと違い、休息座位を取る事ができる車いすです。
種類は
- 「リクライニング式」
- 「ティルト式」
- 「リクライニング・ティルト式」
上記の3種類です。
リクライニング式の特徴
メリット
- 背もたれを後傾させた時、股関節の角度に変化をつけられるところ。
デメリット
- 身体の股関節と、車椅子のジョイント(軸)がズレているため、角度を変えるとお尻が前方に滑てしまうこと。
→そのため、角度を変えたら座り直しが必要です。
ティルト式の特徴
メリット
- 姿勢がズレないこと
デメリット
- 股関節のが曲がったままなので、長時間座ると拘縮になりやすいこと
リクライニング・ティルト式の特徴
メリット
- リクライニングとティルトの両方の機能を備えている。
デメリット
- 介助者がそれぞれのメリット・デメリットを良く理解していることが必要。
両者のメリットを活用するための確認、判断、臨機応変な対応が求められます。
車椅子への座り方の確認方法
車椅子に座っている方を評価するとき、
- 「座っている姿勢が崩れている」
- 「楽そうでない」
など、全体的な印象から、まずは以下のポイントを確認していきます。
座面~背もたれと身体のスキマ
座面と太ももの間~骨盤の後ろ~背中に、
- 「車椅子の座面や背もたれとの間にスキマがないか?」
- 「どの程度のスキマがあるのか?」
- 「スキマの様子に左右差はないか?」
を確認します。
よくある例としては、
- 背もたれとお尻の間にスキマがある
- 太ももの横のスキマに左右さがある
上記の2つです。少し深掘りします
背もたれとお尻の間にスキマがある。
これは、一番起きやすいスキマですが、車いすに浅く座ってしまっていること。
スキマの埋め方は、
深く座り直すこと。これだけで正しい位置にお尻できます。
太ももの横のスキマに左右さがある
もう一つは、太ももの横のスキマに左右さがある場合です。
スキマのなおし方は、
簡単で、座面の中央に座り直すこと。
背もたれとお尻のスキマの時もそうですが、車いすに一度座ったら、必ずもう一度座り直すことを習慣にしていくことが大切です。
ティルト式車いすのフィッティング手順
座王Xシリーズのフィッティング手順です。
- その①:車いすへの座り方を確認
- その②:背張り調整の確認
- その③:ヘッドレストの調整
上記のとおり。それぞれを深掘りします。
その①:車いすへの座り方を確認
まずは上記で解説した、車いすへの座り方の確認です。
ただ、難しいことではなく、一度座りなおしせば、OKです!
座王Xシリーズでは、
- 座フレームがお尻から膝の形状に合わせて曲がっている
なので、お尻が前にずれにくい作りになっています。
とはいえ、座面シートから膝が前に出すぎていると、深く座り直すことが必要です。
この時点で、膝が高すぎる場合には、フットレストの長さを調整しておきましょう。
その②:背張り調整の確認
座王Xシリーズでは、
- 背張りベルトが伸縮性で自動的にフィットしてくれる
オートフィットシステムとなっています。
ただ、円背で背中の曲がりが強い方の場合は、ベルトを個別に調整する必要があります。
個別に調整する場合、
- 一番下のヒップ支持ベルト
- 真ん中の下部胸郭ベルト
上記2つのベルトを背中の曲がりに合わせて微調整します。
微調整のコツは、背中の曲がりを手で確認して、下から少し支えた状態でベルトを張ること。
もちろん、実際に座っている方へ「このくらいはどうですか?」という確認は必須です。
その③:ヘッドレストの調整
最後にヘッドレストの調整です。
テレビを見るとき、食事をするとき、リラックス時など場合によってティルトの角度も変えるので、それぞれのシチュエーションで角度調整が必要です。
座王Xシリーズでは、
- ベッドレストの位置の調整が3つの軸と高さ・左右の調整が可能。
特に1つのボタンでベッドレストの2つの軸、レバーでもう1つの軸、合計3軸がスムースに調整できるので、とてもラクです。
正直、高さ・左右調整はなくても頭を合わせることができちゃいます。
とはいえ、シチュエーション毎にヘッドレストを調整するのは不安な方が多いと思います。
下記のポイントを参考にすると調整しやすいです。
- 食事のときは”あごが上がらないように”
- テレビを見るときは”テレビ画面を見やすいように”
- リラックスするときは”ヘッドレストにもたれるように”
ちなみに、救命処置で行う気道確保があごをあげる姿勢で空気を肺に届けやすくする姿勢です。
特に背中が丸い方の場合、
- あごが上がった状態でご飯を食べると”誤嚥”しやすくなる
→食事の際は”あごが上がらないように”というのが大切です。
今回は、ティルト式車いすのフィッティング手順を解説しました。
記事が参考になれば幸いです。