パーキンソン病の腰痛を軽減する方法【事例で取り組んだ3つの内容】

パーキンソン病の腰痛を軽減する方法【事例で取り組んだ3つの内容】

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パーキンソン病で腰の痛みに困っている方「洗面台で歯磨きや入れ歯を入れるのに時間がかかると腰が痛くなって動けない、、、朝起きたときから腰が痛くて、、、何か良い方法はないだろうか?」

こんな疑問に答えます。

結論からお伝えすると、パーキンソン病による「曲がった姿勢」に合わせた対策が必要になります。

本記事の内容

  • パーキンソン病の姿勢変化と痛みについて
  • パーキンソン病の姿勢変化への基本的な対策
  • 事例紹介:実際に腰痛に対して取り組んだ3つの内容

この記事を書いている僕は、訪問リハビリでパーキンソン病の方と4年間をともに歩んできました。その方の腰痛への対策方法を含めて解説します。

この記事を書いた人
ヒロピノ

探究と挑戦を楽しむ理学療法士
医療・介護領域でのリハビリテーションを提供

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パーキンソン病の姿勢変化と痛みについて

パーキンソン病の姿勢変化と痛みについて
頸部や体幹の筋肉が硬直してくると、姿勢に変化があらわれてきます。
例えば、

  • 首下がり
  • 腰曲がり
  • Pisa症候群 など

上記は、一般に進行期に起こりやすいとされます。

パーキンソン病の進行による症状についてはこちらで解説しています。

痛みは、パーキンソン病の患者さんがお困りになることの多い非運動症状のひとつです 。

腰痛は、パーキンソン病の運動症状に伴う前かがみや腰曲がりなどが原因となります。

腰や首、背中の筋肉や骨、神経に負担がかかり出現することがあるので、パーキンソン病の症状の進行にも関係しています。

パーキンソン病の姿勢変化への基本的な対策

パーキンソン病の姿勢変化への基本的な対策
基本的な対策は2つ

  • 薬の調整
  • リハビリ

上記のとおり。

薬の調整

姿勢が変化してくるのはパーキンソン病の進行にともなって起こってくることが多いです。

薬の調整

そのため、パーキンソン病の症状を薬で調整するということが1つ目の対策。

リハビリ

パーキンソン病により筋肉が硬直して関節がこわばることにより身体を動かす機会が減り、さらに症状が進んでしまう傾向があります。

体操する人

それを予防するためパーキンソン病の体操を行い関節や筋肉の柔軟性を引き出し、身体を動かしやすくすることが2つ目のリハビリです。

それでは、姿勢変化へのリハビリを深掘りします。

姿勢変化へのリハビリ

筋肉が硬直したり、筋力が落ちていると、姿勢を立て直すことや状況に応じて身体を調整することが難しくなります。 

そのため

  • 柔軟性
  • 筋力

を維持・向上することが 大切です。

今回は、腰痛が起きやすい「腰曲がり」への具体的な運動を紹介します。

壁を使う運動

  • 壁に両手をついて、徐々に手を上げて背筋を伸ばす
  • 壁に背中を向けて立ち、背中全体をゆっくり壁につける

座って行う運動

  • 両手をお尻の後ろにつき、ゆっくり天井を見上げる
  • 両手を頭の後ろに上げ、身体を左右にゆっくりねじる

寝て行う運動

  • 膝を立て、左右へゆっくりと倒し、身体をねじる
  • 膝を立て、ゆっくりと上げ下ろしをする(下腹部を鍛える)
  • 膝を立て、おへそを覗き込むように頭を上げる(腹筋を鍛える)

上記の運動の中で、自分でできる運動を無理のない範囲で毎日行うように習慣化することが大切です。

事例紹介:実際に腰痛に対して取り組んだ3つの内容

事例紹介:実際に腰痛に対して取り組んだ3つの内容
事例の方は、約10年前にパーキンソン病と診断され、6年を経過した頃から徐々に症状が進行してきました。

「腰曲がり」と「Pisa症候群」の姿勢変化が強くなり、それにつれて腰痛の訴えが強くなり、もちろん薬の調整や痛み止め、湿布なども使っていました。

腰痛の訴えが強くなってきた

訪問リハビリとしても、少しでも腰痛を軽減するためにと、取り組んできた3つの内容を紹介します。

取り組んできた3つの内容

  • 腰曲がりへの自分でできる運動
  • 腰痛があっと時に「しゃがむこと」
  • クッションの活用

上記のとおり。

腰曲がりへの自分でできる運動

上記で記載した、「腰曲がり」に対する運動を毎日できる範囲で実施する。

これは姿勢変化が強くなる前から習慣的に行っていました。

それでも、入れ歯を入れるのに30分かかることから、どうしても腰痛が出てしまいます。

入れ歯を入れるのに時間がかかる

そこで2つ目。

腰痛が強い時に「しゃがむこと」

腰痛が強い時に「しゃがむこと」

この方の腰痛は

  • 座っていても痛みはない
  • 歩く時も痛みはない
  • 立っていると痛みが出る

という特徴がありました。

そのため、「しゃがむこと」を試すと、痛みが軽減し、歩けるようになる。

これは、立って鏡を見ながら入れ歯を入れる(腰を反る)姿勢が腰の脊柱管を通る神経を圧迫することから腰痛が出現したものだと結果的に推測できます。

なので、この方の場合には、腰痛が出たら「しゃがむこと」が第一選択でした。

クッションの活用

クッションの活用

進行期に入ってからは、腰痛の訴えがより多くなってきました。特に以下の場面です。

  • 床へ横になるとき
  • 洗面台で入れ歯を入れるとき

それぞれを深掘りします。

床へ横になる時

仰向けで寝た姿勢では、腰や股関節の前の筋肉がとても硬直し、腰や膝と床との隙間がとても空いていました。

そこで、仰向けで寝る時には膝下に大きなクッションを試すと、朝起きた時や床へ横になる時の腰痛が無くなりました。

これは、膝下の大きなクッションにより足を下から支える面積が増えて安定し、腰や股関節前面の筋肉への負担が軽減したことから、結果的に腰痛が無くなったとわかります。

それ以降も寝る時には膝下へのクッションを使い続けています。

洗面台で入れ歯を入れる時

もう一つは、洗面台で入れ歯を入れるときの工夫です。

この方の洗面台は下に扉がついており、台に寄り掛かることができないタイプで、余計に腰への負担がかかりやすく、毎日の洗面が苦痛になると、、、。

そこで、洗面台の下の扉に円型のクッションを取り付け。
以下の商品のイメージで取り付けました。


クッションに下肢をつけることで、腰への負担を減らし、毎日の洗面が楽になりました。

以上、事例で取り組んだ3つの内容です。

腰痛にはそれぞれ要因が異なるので、この方法が全ての方に効果があるとは言えませんが、個人個人の特徴を踏まえて試してみる価値はあると思います。

今回は以上になります。
記事が参考になれば幸いです。