片手でできる動作や行為を増やして生活の質(QOL)を向上させる方法

片手でできる動作や行為を増やして生活の質(QOL)を向上させる方法

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片手しか動かないから自分ではできないと思っている方「片手しか動かないからもう家事はできないわ。洗濯物を夫に洗ってもらうのはね、、、本当は自分のことくらい自分でやりたいんだけど、、、」

こんな悩みに答えます。

片手が不自由でも自分のことは自分ですることができます。

というのは、脳卒中で倒れた方には、片手が不自由でも工夫しながら一人で生活している方がたくさんいるからです。

人それぞれ工夫の仕方は違いますが、「工夫すればできる」ということを僕は訪問リハビリをする中でたくさんみてきました。

といっても具体的にどうすればいいの?ってなりますよね。

そこで、僕がみてきた片手で動作や行為をする工夫について一つ一つ紹介していきます。

この記事を書いた人
ヒロピノ

探究と挑戦を楽しむ理学療法士
医療・介護領域でのリハビリテーションを提供

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片手だと困る動作や行為

片手だと困る動作や行為
片手になると、今まで両手で行っていた動作が難しくなります。

例えば、

  • ペットボトルの蓋が開けられない
  • タオルを絞れない
  • 靴下が履けない
  • 洗濯物が干せない
  • 体が洗えない
  • 床のゴミを拾いたくても手が届かない
  • 料理ができない

など、色々な動作に支障がでます。

それぞれ深堀りしていきます。

片手だと困る動作や行為への対策

片手だと困る動作や行為への対策

ペットボトルの蓋が開けられないときの対策

ペットボトルの蓋が開けられないときの対策
これについては、いろいろな商品も販売されています。といっても、まずやってみて欲しいことは、「ペットボトルを両足で挟んで開ける方法」</b>です。

何も商品をホイホイ購入する必要はありません。まずはある物・体をどうにか工夫してできないかどうか考えることが大切ですね。

足に挟んでペットボトルを固定し、片手で蓋を開けるだけですから。

あまりおすすめはできませんが、男性では歯で噛んで蓋を開ける方もいます。しかし、歯が傷んでしまっては大変なので控えましょう。

女性の場合には、両手が使えたとしても、ペットボトルの蓋が開けにくいことがありますよね。握力不足です。

その場合は、足にペットボトルを挟んでも蓋を開けるのは無理でしょう。

そんな時には、ペットボトルオープナーを活用しましょう。

  • ペットボトルオープナー(貝印)

いろいろな商品があるので、見た目や値段など選ぶのも楽しいですね。

  • ペットボトル開けるくん(日本製)


贈り物にも良いかもしれないですね。

タオルを絞れない時の対策

これもよく聞く片手ではできない動作の一つです。

まず試してほしいことは、「蛇口の付け根にタオルを巻き付けて絞る方法」です。

俳優の中尾彬さんはご存知だと思います。中尾さんのマフラーの巻き方は特徴的で、「ネジネジ」と呼ばれています。

中尾さんは首にマフラーやストールを巻いていますが、首の代わりに蛇口を使ってタオルをネジネジするだけです。

少し時間はかかるかもしれませんが、ある程度タオルを絞ることができます。

試しにやってみてください。

片手で靴下がうまく履けない時の対策

片手で靴下がうまく履けない時の対策
靴下も片手だととっても履きにくいです。脱ぐのは楽なんですけどね。

片手しか動かない方だけでなく、足元に屈むことが難しい方も靴下が履きにくくなります。

靴下を履かせるのには、介護者にとっても床に屈んで作業することになるので負担が多い動作です。

そんな時に「ソックスエイド」という靴下を片手でも、屈まなくても履きやすくする自助具があります。「ソックスエイド」に靴下を履かせて、足を入れるだけ。

片手でも両足の間に「ソックスエイド」を挟んで靴下を履かせて足元に下ろして足を入れるだけです。90代の女性もソックスエイドを使って靴下を履くことができるようになりました。

詳しくは下記の記事で紹介していますので、ご覧ください。

洗濯物が干せない時の対策

洗濯物が干せない時の対策
女性の方では、「夫に洗濯をさせたくない」「自分の下着は自分で洗いたい」と本心では思っていても、「片手だから、、、」「仕方ないわ」と洗濯物を干すことをあきらめてしまっている方がいます。

布団カバーなど大きなモノは難しくても、下着や靴下など小さなモノであれば、工夫次第で自分でできます。

そこで、洗濯の特徴や手順に分けた時の動作を深掘りします。

洗濯では、両手動作が多いのが特徴

洗濯をするときの手順は、

  1. ボトルタイプの洗剤を入れる(ボトルキャップを開ける)
  2. 粉洗剤は片手で箱を押さえつつ、洗剤用スプーンで洗剤を入れる
  3. 洗った洗濯物のシワを伸ばす
  4. 洗濯バサミを開きつつ、洗濯物を挟む
  5. 洗濯物を持ちつつ、ハンガーにかける

上記のように洗濯という行為を片手で行う手順は多くて難易度は高めです。干し終わった洗濯物を取り込む手順も含めるともっとありますね。

手順に沿って解説します。

洗剤を入れる動作

洗剤は、粉タイプや液体タイプが一般的です。

粉タイプは、蓋を開けて洗剤用スプーンですくって入れる。液体タイプは、キャップを開けてキャップで計量して入れる。←これって両手だと特に不自由を感じない動作ですよね。

片手でやろうとすると、特に液体タイプはキャップを開けて、キャップを置いて、計量して、洗濯機に入れる、という複雑な動作になります。

ただ、これついては、便利な商品がとても増えてきました。

例えば、ワンハンドタイプの洗剤


これは、片手で握るだけで液体洗剤を入れることができます。

もう一つは、ジェルボール

洗剤がボール状になっているので、片手で入れるだけです。柔軟剤も入っていて洗浄力も高く、劣化しにくいと言われています。


洗剤については、上記のような便利なモノを取り入れることで負担が軽減できます。

洗濯バサミに挟む・ハンガーにかける動作

手順でいうと次はシワのばしなのですが、今のところ片手でパンパン振るしかないかと、、、。よい方法があれば教えていただけると助かります。

次は「洗濯バサミを開きつつ、洗濯バサミに挟む」です。

これはピンチハンガーへの干し方です。両手で干す場合には、片手で洗濯バサミを開きつつ、洗濯物をもう片方の手で挟めます。

片手では、「できない!」って思う方がほとんどです。しかし、中には自分で工夫してやっている方がいる。これが事実です。

そのやり方は座って自分の膝の上を活用し、ピンチハンガーを逆さに置いて、親指と人差し指で洗濯バサミを開きつつ、中指、薬指、小指で持った洗濯物をはさみます。

はじめて見せてもらったときは、とても考えさせられました。工夫次第でできるんだと。

最近はピンチハンガーも片手でワンタッチで挟める商品も出ています。

詳しくは、下記の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

自分で体を洗えない時の対策

片手になると、動く腕と背中が自分の手では届かない領域になります。たいていの場合は、家族に洗ってもらうという方が多いです。しかし、女性の場合には、「夫に洗わせなくない」「できれば自分でやりたい」と思う方がいます。

そんな時に役立つのがループつきのタオルです。ループがあることで、動かない腕に巻きつけることや蛇口や手すりに括りつけることで、動く腕や背中にタオルが届くようになります。

ループつきのタオルについては下記の記事で解説していますので、参考になれば幸いです。

床のゴミを拾いたくても手が届かない時の対策

床のゴミを拾いたくても手が届かない時の対策
片手だと、手の届きやすい範囲も狭くなります。特に足元のゴミを拾いたい・モノをとりたい時には、「もうちょっと手が伸びれば、、、」と思います。

そんな時によく活用されているのがマジックハンドです。百均でホームセンターなどで手軽に購入できるのでとても便利ですね。

実際には、床のゴミを拾う、外に出るときに靴をとる、ペットボトルをとるなど他にもいろいろ使われています。

マジックハンドは、自分の手では届かない範囲のモノを取る・つかむ・引っ掛けるなどができます。単純な挟む機能だけのモノから、挟んだり、ひっかけたり、磁石でくっつけたりなど多機能なモノもあるので、自分の目的に会ったマジックハンドがあるといいですね。

詳しくは、下記の記事で解説していますので、ご覧ください。

料理ができない時の対策

料理ができない時の対策
料理は、片手で行うのが難しいことは容易に想像がつくでしょう。

洗濯と同じように両手動作が多いからです。

といっても全くできないわけではなく、時間はかかりますが、工夫することで一人で料理をすることが可能です。

食材の皮むきや切る時に、食材が転がってしまうのが問題ですね。ここを工夫することで食材が安定すれば、皮を剥いたり、切ったりすることも容易です。

食材を安定させる道具もあるのですが、ある方は、濡れ布巾をドーナツ状にしてその真ん中に食材を入れて安定させていました。

ドーナツ状のプレート(←元々なんのためのものだったかは不明)の真ん中で作業する方もいました。

人それぞれ工夫の仕方は異なりますが、食材を安定させるための方法です。

他にも紹介したいことはたくさんありますが、少しずつ記事に残していきたいと思います。