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片麻痺で装具を使っているけど、外したい方「装具を使った方がいいのはわかるんだけど、やっぱり外したい。履きたい靴も装具があると入らないし。なんとかならないかな、、、」
こんな希望に答えます。
すべでの人が装具を外せるとは言えませんが、装具を外すことができる方もいます。
片麻痺で装具を外したい方と一緒に取り組んで、実際に装具を外すことができた方、不本意ながら装具を外すことができなかった方の両方を目の前でみてきました。
むやみに装具を外すと、関節に痛みが出たり、歩きにくくなったり、転びやすくなったりすることがあるので、装具を外すための確認ポイントを押さえて練習していきましょう。
本記事の内容
- 片麻痺の方で足の装具を外すことができた人はいる?
- 片麻痺の方が足の装具を外して歩くための3つの確認ポイント
- 足の装具を外していく具体的な練習方法
- まとめ:片麻痺の方で足の装具を外したい方へ
上記について訪問リハビリでの経験をもとに、解説していきます。
片麻痺の方で足の装具を外すことができた人はいる?
脳梗塞や脳出血などにより半身が麻痺する後遺症を抱えることがあります。
足首の麻痺について
足に麻痺が残ると、
- つま先が上がらずに地面に引っかかる・つまずく
- 足首が内側に捻れて地面に足全体がつけられない
といった現象が起き、歩いた時にふらつきやすく、目的の場所にたどり着くにも多くのエネルギーが必要になります。
もちろん転んでしまうことや足首を捻挫してしまうこともあるでしょう。
そうならないために、足の機能を補うために装具を作製し、装着した状態で安全に歩行できるように練習し、在宅に帰ることになります。
自宅に帰ってくると、装具を外したいと希望されることが多い
自宅に帰ってくると、
- 「外靴が入らなくて、、、」
- 「装具はずっと付けていた方がいいの?」
- 「装具を外したいと思っているんだよね。」
上記のように、実際に自宅で生活をしてみて装具の付け外しの負担や靴の希望などの思いが出てくるのでしょう。
片麻痺で装具を外したいと希望される方と一緒に取り組んで、実際に装具を外すことができた方もいました。しかし、不本意ながら装具を外すことができなかった方も見てきました。
装具を外すことができた人の特徴
装具を外すことができた人の特徴は、
- 足の指先が上に動かせる
- 踵から足が付いたという感覚がわかる
- 足首の関節が柔らかい
上記のとおりで、装具を作ったタイミングが足の機能回復途中だったことから、自宅に戻ってから徐々に上記の足の機能の特徴が改善していった方たちです。
装具を外せなかった人の特徴
逆に装具を外せなかった人の特徴は、
- 足首の筋肉や関節が硬くなりやすい
- 足の指先が動かせず、歩くと指が下を向いてしまう
- 足裏の感覚が鈍く、足のどこが地面についているのかわからない
上記のような状態で、足首や足指の運動機能の改善が不十分なこと、足裏の感覚機能が鈍いままなことがあると装具を外すことが難しい状況でした。
それでも装具を外したいと自己判断で外した結果、足首を捻挫してしまうという方もいました。そのような場合には、装具を外すことではなく、より軽量化したものへ変更するという手段もあります。
軽量化した装具だと外靴にも入りやすくなるため、装具自体を変更することで生活の質を向上する可能性もあるので相談してみましょう。
片麻痺の方が足の装具を外して歩くための3つの確認ポイント
確認ポイントは
- 踵から足をつけることができる
- 足首がねじれすぎないこと
- つま先が5度以上簡単に上がる
上記の3つです。
踵から足をつけることができる
まずは、歩くときに踵から足をついていけるかどうかを確認しましょう。
「踵から足をつく」という意識を持つことで、結果的につま先を上げることにつながります。
踵から足をついて自然と前方に移動するが、歩きの基本です。
つま先から足をついた場合
逆に、つま先から足をつけると、
- 膝が後ろへ突っ張る
- お尻が後ろへ引ける
上記のような動きになり、スムースに前方に進めなくなります。
歩き方による悪影響について
「歩けるからいいだろう」と思う方もいるのですが、つま先から足をつけた場合には身体に負担をかけて歩くことになります。
つま先から歩くことによる身体への悪影響は、
- ふくらはぎの筋肉がつっぱる
- 足の指が曲がってしまい指が痛くなる
- 膝が痛くなる
- つま先が上がらなくなる
上記の影響は、じわじわと身体に現れてくるので、自分でわかりにくのが難点です。
しかし、つま先から足をつく歩き方を長く続けることは、将来的に装具を外すことにマイナスの効果になることは、上記の悪影響から明らかなので装具を外すためには、避けなければいけません。
足首がねじれすぎないこと
片麻痺になると足首が内側に捻れやすくなります。
歩くときに足首が捩れると、
- 方向転換するときに捻ってしまう
- 足が引っかかって転倒してしまう
という現状が起きることがあります。
実際に夜トイレにいく時は装具を付けないで歩いている方がいたのですが、ベッドに戻るときに足首を捻って捻挫してしまった方がいました。
足裏の外側のみで歩く、親指側が浮いてしまう方は注意が必要です。
そのため、歩くときに足裏全体が床にしっかりとつけられることが条件の一つになります。
つま先が5度以上簡単に上がる
片麻痺の場合、つま先の上がりはとても重要です。
つま先を上げようと思っても上がらない場合とつま先を上げているつもりでも上がっていない場合の2つがあり、後者の方が転倒リスクが高く危険です。
つま先を上げようと思っても上がらない場合には、膝や股関節をより大きく上げることでつま先が上がらない分を代償することができます。
しかし、つま先を上げているつもりで実際につま先が上がっていなければ、足が引っかかり転倒してしまいます。
つま先を上げるのに、時間がかかる場合
つま先を上げようと思ったときに足首全部が硬くなって動きにくい、というのも片麻痺の一つの特徴。
足のつま先上げる脛の横の筋肉と、同時にふくらはぎの筋肉にも勝手に力が入ってしまって、結果的にてつま先を上げるのに「時間がかかる」状態です。
つま先を上げるのに時間がかかると、ゆっくり歩くことになります。これはつま先がどのくらい上がっているのか理解できる場合の話。
もし、つま先が上がっていないのに自分では上がっていると感じている場合には、転倒する危険性が高くなってしまいます。
「つま先が簡単に上がる」ということが転倒を回避しつつ、装具を外すための一つの条件になる理由です。
足の装具を外していく具体的な練習方法
座った状態で「踵」を感じる
練習をはじめるとなったときに、いきなり装具を外して歩く練習はしない方が良いです。足の状態があいまいな感覚で歩いてしまうと捻挫したり転倒したりする可能性が高いからです。
そのため、まずは座って「踵」を感じることからすすめていきます。
踵で小さなボールを踏む、踵の感覚がわかりにくければペンなど硬い物を置いて踏む練習をすると踵を感じやすいでしょう。
踵が感じられたら、次は、踵を床にトントンと打ちつけます。歩くときにも、この踵からトンとついて歩くイメージができやすくなります。
これが、座って行う準備です。
足首を上げ下げする
膝が伸びた状態だと難しいので、まずは座って膝が曲がっている姿勢から練習しましょう。
もし、小指側が下がって足首が捻れてしまう場合には、力いっぱい足首を上げるのではなく、捻れない範囲で上げるだけでOK。
無理に動かそうとしても逆に変な力が入るだけで、良くなりません。
足の指を曲げ伸ばしする
足首だけでなく足の指の曲げ伸ばしもしましょう。
体操競技のテレビを見ていると、「つま先まで神経が通っている」と解説者が言うことがありますが、装具を外すには「つま先まで神経を通わせること」が大切です。
つま先が感じられると足が引っかからないようにしようと動かせるようになっていきます。
足首が捻れる方・つま先が簡単に上がらない方は足首サポーターを使用する
足の装具を外して歩くための3つのポイントが、はじめから当てはまる方は多くありません。だからこそ装具を作ったはずなので。
下記の状態であれば足首サポーターを補助として使用することをおすすめします。
- 踵から足を付けられるけど、足首がとても捻れてしまう
- 足首は捻れないけど、簡単に足首が上がらない
急に装具を外して失敗する経験をしてしまうと、装具を外したいという希望が泡となって消えることになりかねません。
そのため、足首の機能を補う足首サポーターを使用しつつ、少しずつ練習していくことも必要です。
はじめはゆっくりとした動作で足の裏を感じとる
まずは立った姿勢で、
- ゆっくりと足の裏へ体重を乗せて
- 体重が乗った感覚を足の裏から感じる
立ったときにも足裏の感覚を感じることが大切です。
装具を付けていると、装具が勝手に踵からつま先へ体重を乗せるように補助してくれるので、あまり足裏の感覚を意識しない状態になっています。
あらためて、踵からつま先へ体重を乗せたり、足の内側から外側へ体重と乗せたりして自分の足裏の感覚を蘇らせましょう。
歩き方のポイント
歩き方のポイントは、
- 踵から足を床につける
- つま先の向きを反対の足に合わせる
- 足の上に体を乗せて、お尻を前に出していく
3つのポイントをあげていますが、人間は一度に一つのことにした注意ができません。
ますは踵から足をつく、それができたらつま先の向きを合わせる、それもできたら体重を前に乗せていく、と段階的に一つずつすすめていきましょう。
良くない歩き方のチェックポイントとして、
- つま先の向きが外に向きすぎている
- つま先・足裏の外側から足がついている
- 体重が乗っていくときにスネが前に倒れず、お尻が引ける
つま先が上がらないと、上記の現象が起きやすいです。
うまくできているかどうか自分で確認しながら歩きましょう。
サポーターを使用して屋内を歩く
足裏の感覚や足首の機能を高めつつ、屋内からサポーターを使用して歩いていきましょう。もし、杖を使っている場合には、同じように杖をついて練習しましょう。
まっすぐ歩くだけでなく、横向きや後ろ向き、方向転換など色々な動きも練習することで、日常生活で必要な動きが鍛えられます。
いざ屋外へ
屋内を安心して歩けることを確認したら、屋外へも散歩へ出かけてみましょう。
サポーターを巻いている足であれば、今まで履いていた靴に足を入れることができる方が多いです。
今まで履いていた靴を履くことで、
- 「足が軽いね」
- 「歩きやすい」
- 「装具は重たかったね」
などとおっしゃる方が多いです。
屋外で歩くと気分も開放的になり、歩幅や歩くスピードも速くなるので、足を少しずつ慣らしていきましょう。
もし、足が引っ掛かるようであれば、少しゆっくりと歩幅を小さく歩くことも工夫の一つです。
屋内からサポーターを外していく
サポーターを使用して屋外も不安なく歩けるようになってきたら、屋内からサポーターを外していきます。
ここまでくると、以下の装具を外すための3つの確認ポイント
- 踵から足をつけることができる
- 足首がねじれすぎないこと
- つま先が5度以上簡単に上がる
が全てできるようになっているはず。
まとめ:装具を外したい方へ
装具を外したい方へ
装具を外して歩くことはとても多くの方の希望です。
ここまで解説してきたように、しっかりと手順を踏めばできる方もいます。もちろん個人の回復力や継続力などによって左右される場合もありますが、3ヶ月から半年かけて希望を叶えた方を見てきました。
ちゃんとやれば、あきらめずに続けることができれば希望を叶えることができるんです。途中でやめてしまう、失敗してあきらめてしまう方ももちろんいます。
この記事では、失敗しない対策も含めて、装具を外したいという希望を叶えるために一緒に歩んできた経験を解説しました。
この通りにやればできるようになっているので、やる前からあきらめずにやってみましょう。
同じ希望をもつ方の参考になれば幸いです。